お疲れ様です!! 家飲み!ビアホールです。
YouTubeでも配信している【今晩の家飲みビア】シリーズ。ドイツビール編として最初に紹介するのが【ヴァイエンシュテファン ヘーフェヴァイスビア】。現存する世界最古の醸造所が造る、酵母入りのヴァイツェンです。
ドイツビール編では起源の古い醸造所から順を追って、その醸造所の象徴的なビールを紹介していきます。
ヴァイエンシュテファン醸造所
ヴァイエンシュテファン醸造所はドイツ南部のバイエルン州にあり、ミュンヘンの少し北、フライジングの丘に建っています。醸造所の敷地内にはミュンヘン工科大学もあります。
現存する世界最古の醸造所として有名ですが、ミュンヘン工科大学の醸造学部と技術提携を結んで研究開発を行っていて、ビール研究の中心地ともいうべき聖地です。
ミュンヘン工科大学には、世界中から研究者や学生が集まり、日々ビールについて学んでいるとのこと。日本の大手メーカーからも技術者が留学しており、日本のビール発展にも一役買っているようです。
現在はバイエルン州の公営企業としてビール醸造を行っているヴァイエンシュテファン醸造所ですが、もともとはカトリックの修道会であるベネディクト会の伝道師たちが西暦725年に建てたヴァイエンシュテファン修道院が、1040年にビール醸造を始めたことに起源があります。
19世紀初頭のナポレオンの進撃によってヨーロッパはカオス状態に。財政危機に陥ったバイエルン政府は教会・修道院の財産を没収。ヴァイエンシュテファン修道院も閉鎖され、醸造所はバイエルン王国所有となりました。
以後、現在に至るまで、ヴァイエンシュテファンは公営の企業としてビール醸造を続けています。
修道院ビール
ベルギーでもよくみられる修道院ビール。
なぜ修道院がビールを造るのかといえば、そこには中世ヨーロッパの歴史が関係しています。
8世紀後半、西ヨーロッパを統一したカール大帝は、征服した土地に教会や修道院を建ててキリスト教を広めていきました。同時に荘園令で荘園や修道院に、ワイン・ビールの醸造を義務づけます。
キリスト教では、ワインは「キリストの血」、ビールは「液体のパン」として重要視されていました。
そうした中、土地の寄進を受けて世俗的な権力を高めた修道院は、領民である農民から農作物や労働力の提供を受けるとともに、ビール醸造の技術を発展させ、ますますビール醸造量を増やしていきます。
当時のキリスト教では断食期間にビールを摂ることは許容されていたようで、断食期間の修行者や貧しい人々に、栄養補給の目的でビールを提供していました。
また、飲料水に事欠かない日本と違って、水の劣悪なヨーロッパでは、水分摂取の手段としてもビールが重宝されたようです。
こうして中世ヨーロッパのビール醸造は、修道院が主体となって発展していったのでした。
ヴァイエンシュテファン醸造所のビール
●ヴァイエンシュテファン醸造所のラインナップ
ヴァイエンシュテファン醸造所の造るビールの中で、【ヘーフェヴァイスビア】と肩を並べるヴァイツェンとして、酵母をろ過してすっきりした味わいの【クリスタルヴァイスビア】があります。
他にも、焙煎された麦芽の香ばしい【デュンケルヴァイス】や、アルコールの高いヴァイツェンボックスタイルの【ヴィタス】、定番ラガーの【ピルスナー】などのラインナップがあり、レベルの高いビールにことかきません。
●ヘーフェヴァイスビア
【ヴァイエンシュテファン ヘーフェヴァイスビア】のビアスタイルはヴァイツェン。酵母入りであることも含めてヘーフェヴァイツェンと言ったりもします。
アルコール度数は、ほどよく5.4%。
飲みやすくて何杯でもいけますね。
質の良いヴァイツェンに共通しているのは、小麦と酵母が醸し出す、バナナや柑橘を思わせる香りがあること。
この香りを存分に楽しむには、9~12℃の温度帯が一番適しています。
小麦のたんぱく質に由来する豊かな泡がビールの旨味を閉じ込める役割を担います。
泡自体からも、ほのかな苦味と甘い香りが感じられ、液体にたどり着く前から幸せな気分に包まれます。
酵母は瓶の底に溜まりやすいので、注ぐ際は、時おり、瓶を振って、酵母をほどよくグラスに移してあげることがポイントです。
YouTube 今晩の家飲みビア
ビールの味わいは人それぞれ。
家飲み!ビアホールでは、実際にビールを飲んで楽しんでもらうことを前提に情報を発信しているため、味わい・個人的感想については、ほどほどにとどめています。
ぜひとも、ご自身の感じ方で味わっていただければと思います。
また、ホームページと並行して、YouTube配信も行っています。
【今晩の家飲みビア】シリーズでは、そのビールに合った音楽とともに、家でゆっくりビールを楽しんでいただけるような動画を配信しています。
毎週金曜日に配信していますので、ぜひともご覧くださいね!
では、今晩も素敵な家飲みを!