お疲れ様です!! 家飲み!ビアホールです。みなさんは普段、どのような家飲みをお楽しみでしょうか。
今回のシリーズでは、「ビールは大好きだけど、どれを飲んでも大した違いがわからない」という方向けに、
お手軽に手に入る日本のビールを、もっともっと楽しむための基礎知識をお話ししていきたいと思います。
ちなみに私は平凡な味覚しか持ち合わせていない、何者でもないただのビール好きですが、ビールの知識を仕入れてスタイルやイメージを自分なりに体系化し、たくさんの種類のビールを、より良い状態で、最適なグラスで飲むことで、毎日の家飲みを楽しんでいます。
日本の5大ビールメーカーのブランド
日本で育ったビール好きのみなさんは当然ご存じの、アサヒ・キリン・サッポロ・サントリー・オリオンが、日本の5大ビールメーカーです。
オリオンはアサヒと提携関係にあって沖縄で独自展開をしているため、オリオンを除いて、アサヒ・キリン・サッポロ・サントリーで4大ビールメーカーと言うこともあるようですね。
私自身、各メーカーに思い入れがあって、それぞれのビールを楽しんでいます。
私は現在40代半ばですが、20代の頃の家飲みはキリン ”一番搾り” と アサヒ”スーパードライ” の2本立てでやりくりしていたし、30代はサッポロ ”エビス”一本やり。
サントリーにはビール以上に ”角ハイボール” でお世話になりました。
オリオンビールが力を入れている ”75ビール(ナゴビール)” シリーズは最近のお気に入りになっています。
40代に入って、外国のビールからクラフトビールまで様々なビールを飲むようになりましたが、日本のビールは、クラフトビールメーカーを含めて、総じて飲みやすくて美味しい。レベルが高いように思います。
現在の各メーカーの主なブランドラインナップを、スーパーやコンビニ、ディスカウントストアで買えるビールの範囲内で並べてみました。
コンビニ限定や期間限定、地域限定もあるため、必ずしも買えるかどうかはわかりませんが、私が最近飲んだものを中心に紹介します。
2023年現在の主なラインナップ
アサヒ
- スーパードライ
- アサヒ生ビール(マルエフ)
- アサヒ生ビール(黒生)
- YORU BEER〈セブンイレブン 数量限定販売〉
- 花鳥風月〈東北限定発売〉
- WHITE BEER〈セブン-イレブン 東京・神奈川・千葉・埼玉エリア 限定販売〉
- アサヒ スタウト
- ザ・ダブル〈ファミリーマート限定販売〉
キリン
- 一番搾り
- 一番搾り(黒生)
- キリンラガー
- クラシックラガー
- ハートランド
- SPRING VALLEY 豊潤(496)
- SPRING VALLEY シルクエール(白)
- 秋味(秋季限定)
サッポロ
- 黒ラベル
- サッポロラガー(赤星)
- サッポロクラシック
- SORACHI 1984
- ビアサプライズシリーズ(ファミリーマート限定発売)
- エビスシリーズ…プレミアムエビス、プレミアムエール、プレミアムホワイト、
プレミアムブラック、プレミアムメルツェン、マイスター、
琥珀エビス、ホップテロワール、ニューオリジン、サマーエール - NIPPON HOPシリーズ…始まりのホップ、偶然のホップ
- 冬物語(冬季限定)
- サクラビール(限定醸造)
サントリー
- プレモルシリーズ…ザ・プレミアム・モルツ、ザ・プレミアム・モルツ(黒)、
香るエール、マスターズドリーム、ホワイトエール - ザ・モルツ
- サントリー生ビール
- TOKYO CRAFTシリーズ…ペールエール、I.P.A、華やかI.P.A
オリオン
- ザ・ドラフト
- ザ・プレミアム
- 75BEERシリーズ…75BEER、CRAFT LAGER、IPA、SAISON
あなたのお気に入りはいくつあったでしょうか?飲んだことのないビールがあれば、ぜひ買って飲んでみてくださいね。
ビールメーカー・ブランドの歴史
さて、ビールがお好きなあなたも当然ご贔屓なブランドがあると思いますが、日本のビールブランドがたどった歴史をどのくらいご存じでしょうか。
例えば、アサヒ・サッポロは1906年に合併して「大日本麦酒(株)」という同じ会社となっていた時期があったことや、現在はサッポロのメインブランドとなっている ”エビス” も、もとはサッポロのブランドではなく、「日本麦酒醸造会社」という別会社の大人気ブランドだったことをご存じでしょうか。
普段何気なく飲んでいるブランド名にも、メーカー側の想いや、歴史的背景を感じられることがあります。
ビールの歴史をたどれば、普段飲んでいるブランドへのイメージや愛着がより一層深くなり、毎日の家飲みビールがもっと楽しくなると思いますよ。
ビールの歴史の詳細については機を改めてお話ししたいと思いますが、今回は入門編として、知っているとブランドイメージが膨らむ情報を手短に紹介したいと思います。
サッポロ・アサヒ
アサヒ・サッポロ・エビスはもともと別会社だったが、1906年に合併して「大日本麦酒(株)」という日本トップのメーカーに。
1943年には戦時体制による国の指令でサクラビール(帝国麦酒)も大日本麦酒に吸収合併。
戦後のGHQによる財閥解体によって、大日本麦酒はアサヒ・サッポロの2社に解体。
サッポロは ”エビス” や ”サクラビール” のブランドを引継ぎ、1971年には麦芽100%のプレミアムビールとして ”エビスビール” を発売。
”サクラビール”も現在は限定醸造としてサッポロから発売されています。
高度経済成長期を経たバブル真っただ中の1987年、キリン独り勝ちの中、売上を落とし沈みゆく企業として「ユウヒビール」とも揶揄されたアサヒが、 企業の生き残りをかけて発売した”スーパードライ” によってシェアを大逆転。1998年にはビール単体の売り上げでキリンを抜いて業界トップとなる。
”スーパードライ” のモンスターヒットは、ビール業界のみならず、日本の産業界における伝説となっています。
キリン
日本にビールが入ってきた明治初年、外国人が次々に建てたビール醸造所の中でも評判の高かった「スプリング・バレー・ブルワリー」。
1884年に破産するも、翌年、スプリング・バレー・ブルワリーの跡地に、キリンの前身である”ジャパン・ブルワリー・カンパニー”(香港法人)が、に設立され、現在のキリンに引き継がれていく。
キリンは1991年にパブブルワリーとして「スプリング・バレー」を開業。2015年にはクラフトビールレストランとしてリニューアルするとともに、そこで開発した高品質なクラフトビール商品を ”スプリング・バレー” のブランド名で流通させています。
戦後、GHQの財閥解体を免れたキリンは、解体によって弱体化したアサヒ・サッポロを横目に急成長を遂げ、1980年代には国内ビールシェアの6割強をキリンが占めるに至り、独占状態だった。
当時、ほとんどの家庭での晩酌と言えば 、酒屋がケースで配達してくれる ”キリンビール“ (1988年に商品名を ”キリンラガービール“ に変更)だった。
日本人の多く、特に昭和世代のビール好きにとっては「ラガー」といえば ”キリンラガービール“ なのではないでしょうか。
とにもかくにも、すごいブランド力だと思います。
サントリー
”赤玉ポートワイン” で大儲けしたお金をウイスキーにつぎ込み、ジャパニーズウイスキーを不動のものとしたサントリー。
創業者・鳥井信治郎の「やってみなはれ」精神で、果敢なチャレンジと自由な社風が売りですが、ビール業界への参入には苦難の道を歩みました。
幾度の失敗を重ねたのち、初めてヒットした商品が、1967年発売の、サントリービール”純生”。
2023年発売 ”サントリー生ビール”の源流です。
オリオン
米軍占領下にあった1957年、経済復興には製造業を興さなければいけないという志から、地元実業家たちが「沖縄ビール株式会社」を設立。
その年のうちにブランド名を一般公募し、”オリオン”に決定。1959年には社名を「オリオンビール株式会社」に変更しました。
オリオン座は南の星であり沖縄のイメージにマッチしていること、また星は人々の夢やあこがれを象徴すること、などが選定の理由となったそうです。
このような情報は、ビール史のほんの一端ですが、ブランドの由来やメーカーの想いを、知らずに飲むのと知った上で噛みしめるように飲むのでは、味わいも変わってくるものです。
今回は大手ビールメーカーのブランドを紹介しましたが、次回はクラフトビールメーカーも含めて「ビアスタイル入門編」をお送りしますのでぜひご覧くださいね。
では、今晩も素敵な家飲みを!